生物の分類
前回は生物の共通性について、学びました。
今回はどのくらいの種類の生物がいるか(多様性)を理解するために、まず、生物を分ける分類ということを学びましょう!
まずは、定義から行きましょう。
分類とは似ている要素からグループ分けすることです。
ちなみに前回の生物と非生物とにわける作業が分類です。生物の似ている要素(共通性)からグループ分けしましたね。
生物の中でも、さらに分類することができます。
たとえば、動物や植物、さらに動物の中に脊椎動物や無脊椎動物、脊椎動物の中で、哺乳類、爬虫類、魚類など分類の中でずーっと分類していくと、ヒトやイヌ、ミミズなどあたりまで分類できるます。
ヒトやイヌ、ミミズなどの分類の一番小さい単位となります。
生物分類の最小単位を種といいます。
なぜ、分類するのかというと、思考の節約になるからです。分類群の一部で分かったことは、分類群全体で使えると考えられるということです。
たとえば、ミミズを何固体かで分かったことが、ミミズという種全体でも成り立つことが多いということです。
本来なら全個体について調べないといけないのですが、分類すると分類群の代表を調べるだけでよくなるということです。
種の定義
さあ、ここで考えたいのはどうやって生物を同じ種であるとするかです。種の定義を見ていきましょう。
ちなみに種の定義を難しい用語でいうと生物学的種概念といいます。
種の定義は、交配させて、子孫を残せることです。
2つの生物を交配させて、子孫を残せるならば同種となります。重要なのは孫まで作ることができるかです。
たとえば、イノシシとブタとは同種かを調べたいとします。
交配させると、正常に子が生まれます。イノシシとブタの子をイノブタといいます。
子は残すことができました。
さらにイノブタどうしを交配します。
イノブタどうしを交配しても、正常に子を残すことができます。イノシシやブタからすると、孫まで残すことができたことになります。
よって、ブタとイノシシとは同種といえます。
ちなみに生物学的種概念では、問題があって、これでは種を定義できない生物もいます。
わかりますか?
例えば、無性生殖しかしない生物です。そもそも交配ができないですね。
また、異なる環境に住んでいる生物も難しいです。もし子を残せなかったとき、それが、別種であるからか、交配させる環境が本来の環境と異なるからかわからないからですね。
種の多様性
さあ、ここからは種の多様性について考えていきます。
現在、正式な名前(学名)がついている生物種の数はどのくらいだと思いますか?
現在、学名がついている生物種の数はおよそ180万種です。
板書では約175万種と書いていますが、ザックリ180万種と覚えてもらって構いません。
180万種のうち、100万種以上が昆虫です。
見つかっていない生物を合わせると、地球上には1000万種~1億種の生物が存在していると推定されています。
皆さんは、生物種いくつくらい言えますか?100種くらい言えたら、すごいと感じるんじゃないですか?
でも、見つかっているだけで180万種ですよ、う~ん、想像できない…
環境と多様性(生物の適応)
生物と環境とは深く関係しています。
地球上には、森林や草原、湖沼や海、空中や土中など、さまざまな環境が存在しています。
驚くべきことに、それぞれの環境にその環境に適した生物が生息しています。
例えば、水中で生活している魚類と陸上で生活している爬虫類を比較してみましょう。
水中で生活している魚類は呼吸器官としてえらをもち、移動のためにヒレがついています。
一方、陸上で生活している爬虫類は呼吸器官として肺をもち、移動のために四肢がついています。
このように、生物が環境に適していることを適応といいます。
まとめ
それでは、まとめです。
生物の分類の最小単位を種という。
- 生物学的種概念より、同種ならば、交配させて子孫を残すことができる。
- 現在、学名がついている種の数は約180万種である。
- すべての種がその生育環境に適応している。
最後に
さあ、以上の観察結果から説明しなければならないことが3つあります。
1.なぜ、すべての生物に共通性があるのか?
2.なぜ、多様な生物が存在するのか?
3.なぜ、すべての生物が環境に適応しているのか?
どのように考えれば、3つの点をきれいに説明できるでしょうか。
次回この3つのついて見ていきたいと思います。お楽しみに!
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