1章1節①生物の定義 それが機械か生物かってどうやって判断する?

1章 生物の特徴

それは生物?非生物?

本日から生物基礎を一緒に、学んでいきたいと思います!!!よろしくお願いします!!

まずは生物学では何を学ぶかについて知っておいてほしいと思います。

生物学とは、

生物および生物のあらわす生命現象を研究する学問」です。

では、そもそも生物学を学ぼうなら、生物生物でないもの(非生物)を区別できないといけませんね。

では、ここで問題です。

問 生物を選んでください。

①花崗岩 ②犬    ➂ミツバチ

④掃除機 ⑤ミジンコ ⑥大腸菌

⑦カビ  ⑧アサガオ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・考え中・・・・・・・・・・・

できましたか?

解答は②➂⑤⑥⑦⑧です。

簡単でしたか?カビ、大腸菌、アサガオあたりを生物にするか迷った人が多かったかもしれませんね。

しかし、多くの人が正解できたと思います。

では、もう1つ質問したいと思います。

なぜ、それが生物であると判断しましたか?

判断基準を答えられるでしょうか?

多くの人が明確に答えることができないのではないでしょうか。

なぜ、判断基準はわからないのに多くの人が正確に生物と判断できたのでしょう?

その点を考えつつ、生物基礎で覚えるべき生物の共通点を見ていきたいと思います。

生物の共通性

多くの生物を集めてきて、どの生物も持つ特徴をまとめると、生物の共通性が見えてきます。
「この特徴を持つと生物でしょ」と言える判断基準ですね。
生物基礎では4つ覚えてください。

1つ目:細胞をもつこと。
私たち生物の体は細胞が集まってできています。一方、ゾウリムシのように1つの細胞で生活している生物もいます。1つでも細胞を持つといえますね。

2つ目:自分のコピーを作り出すこと。

3つ目:体内の状態を一定の範囲内に保つこと。

4つ目:代謝を行うこと。

それぞれ、詳しく説明します。

1つ目:細胞を持つ。については、後で詳しく見ていきます。

ここでは、細胞の内と外とは細胞膜で仕切られているということを押さえておいてください。

では、2つ目以降詳しく見ていきましょう。

共通性2:自分のコピーを作り出す

生物は自分と同じ種類の生物を作りだします。

たとえば、ヒトであれば、その子どもは、ヒトです。

ヒトから魚が生まれてくることはないです。

つまり、ヒトは正確にヒト(自分のコピー)を作り出すことができるわけです。

また、他の生物でも同様に、正確に自分のコピーを作ることができます。

ちなみに、子は親からDNAという分子を受け取ります。

DNAにはその生物種に特有の情報が書かれており、生物種を作り出す設計図のような役割をしています。

ヒトならば、受精卵からヒトを作るまでのレシピがDNAに書いてあり、正確にレシピどおり実行するのでヒトが出来上がるというイメージです。

このように、自分のコピーを作り出すことを生殖といいます。

共通性3:体内の状態を一定に保つ

生物ならば体内の状態を一定の範囲内に保つことができます
たとえば、14℃の部屋の中に
36.5℃のヒトと36.5℃の水が存在しているとします。
【しばらく時間が経つと…】
水は室温と同じ14℃になります。
一方、ヒトは36.5℃のままです。

通常、自然のものは均一になろうとする性質があります
よって、水のように室温に近づくのが自然ですが、ヒトではそうなりません。
このように、生物は体内を不自然な状態に保つ性質を持っています。
私たちからしたら体温が一定なのは、自然なように感じるのですが、自然界から見たら不自然なのです…わかんなくなってきました?(笑)

生物が体内の環境を一定に保つ性質を恒常性といいます。

体温のほかには、
体液の塩分濃度血糖値も一定の範囲内に保たれています。

共通性4:代謝を行う

代謝が上がった、代謝が低いなど、代謝という言葉は日常でも聞いたり、使ったりするものかなと思いますが、定義をしっかり確認しておきましょう!

代謝とは体内で起こる化学反応全体のことです。

体内で起こる化学反応は、大きく2つに分けられます。

1つは、結合している物質をばらばらにする反応がです。

もう1つは、バラバラの物質を結合させて大きな物質を合成する反応です。

詳しくは後で詳しく学びますが、エネルギーの流れもザックリと抑えてください。

物質の結合にはエネルギーが蓄えられています。化学エネルギーですね。

エネルギー保存則がありますので、結合を切り、バラバラにする反応ではエネルギーが放出されます。

逆に、物質を結合させるときはエネルギーが吸収されます。

このように物質を分解したり、からだに必要な物質を合成したりする化学反応とそれに付随するエネルギーの移動を全部ひっくるめて代謝といいます。

ウイルスの基本構造(ウイルスは生物?)

さあ、ここで4つの共通性を使ってウイルスが生物かどうかを考えたいと思います。

まずは、基本構造から見ていきましょう。

ウイルスは図のようにザックリ2種類に分けられます。

ウイルスはすべて、外側にタンパク質の殻を持っています。内部に含まれる物質によって2種類に分けられます。

内部には遺伝物質(コピーのための設計図)を含んでいます。

1つは設計図として、DNAを含むもの

もう1つは設計図として、RNAを含むものです。

DNAやRNAをまとめて核酸といいます。

ちなみに、DNAやRNAはヒトなどの真核細胞の核内にも存在していて、酸性を示すので核酸といいます。

まとめると、ウイルスの基本構造はタンパク質核酸でできているといえます。

めっちゃ、単純ですね!

ウイルスの自己複製方法(コピーのしかた)

ウイルスも増えることはご存じだと思います。

ここからは、どのようにコピーを作るのか(複製の方法)についてみていきたいと思います。

まず、重要なポイントです!

ウイルスは他の生物の細胞内でしか増殖しない。

具体的に見ていきましょう!

ウイルスは他の生物の細胞内に自分の核酸を注入して感染を開始します。

次に、注入した核酸を他の生物の細胞にコピーさせます。この時、新しく作る核酸の材料もコピーに必要な機械も他の細胞のものを使います。

大量に増殖したあと、タンパク質の殻を作り細胞外へ脱出して、続けて近隣の細胞に感染します。

さて、このような構造や複製方法を持つウイルスというものは生物の共通性に合うでしょうか?

本日のまとめ:生物の共通性とウイルス

それでは今回のまとめです。生物の共通性(生物とは)ということを学びました。

生物の共通性は4つ

細胞生殖恒常性代謝です。

共通性という点では、生殖のさいにすべての生物は遺伝情報としてDNAという分子を使うのでした。

ウイルスの特徴もまとめておきます。

細胞構造を持たない。

自力では複製できない。(他の生物の細胞依存)

遺伝物質がRNAの場合もある。

代謝を行わない。

以上よりウイルスは生物の共通性に合わないので、生物でないとして扱うことが多いです。

最後に

生物と非生物の区別の基準について考えてみました。

しかし、ウイルスのような微妙な存在もいました。

研究によっては、ウイルスを生物として扱うこともあります。

ここで気に留めておいてほしいのは、人がいくら名前を付けて区別したとしても、そこで起こっている自然現象は全く変わらないということです。

ウイルスのようなグレーゾーンのものを生物か非生物かに分けることにこだわるのではなく、グレーゾーンに置いておいて、研究するときに扱いやすいようにどちらかを定義すればいいのだと思います。

本日は以上です。お疲れさまでした。

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